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多可町生涯学習まちづくりプラザ「あすみる(Asmile)」

「あすみる(Asmile)」は、図書館、交流施設、大会議室の機能を備え、まちづくりの拠点施設として
位置づけられた複合施設です。ここでは、地域の誇りである「杉原紙」を用いて、アーティストと
地域の和紙職人の協働による杉原紙創作和紙を制作し、南北の風除室と図書館出入口周辺のガラス面に設置しました。

町が掲げる目標「生涯学び続けられる生きがいあふれるまちづくり」と窓ガラスを多用した特徴的な
建築設計に着想を得て、杉原紙創作和紙のデザインテーマを「あふれだす」としました。
図書館を知の源・学びの起点と捉え、そこから広がる知識や学びへの意欲を、無数の大小の粒の文様で表現しました。
薄く軽やかに制作し、粒の文様を一部、開口させることで、施設内での活動の様子が、
施設の外へと自然と伝わるように工夫しました。
また、開口は、思わずのぞいてみたくなる 施設内への興味、関心の気持ちをさそう効果を狙いました。

児童書架に面したガラスには、図書館の内装を知識の森に見立て、樹木をモチーフに制作した
杉原紙創作和紙を設置しました。
子どもたちの感性を広げ、笑顔あふれるスペースになるよう、緑色や黄色や黄緑色等の色糸を織り交ぜ、
チリ入や落水等の様々な表情の杉原紙を重ね漉きし、豊かな表現を心掛けました。

■アーティスト
atelier TECNO FORM 江藤徳晃、江藤恵美
制作協力:杉原紙研究所 藤田尚志

■計画概要
建築主:多可町
設計:株式会社内藤建築事務所
施工:神崎・和以貴特定建設工事共同企業体

photo:Ken Kato , atelier TECNO FORM